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IT活用の本質とは 1/4
IT革命の波
18世紀、蒸気機関の発明を契機とした産業革命は、農業・工業のあり方を根本的に変え、人類の歴史にかつてない大きな社会構造の転換をもたらしましたが、今、それに匹敵する大きな社会構造の変革の波が押し寄せています。
産業革命は農民を工場労働者に変え、さらに、資本家と労働者という二つの階層を生みだしました。資本家は働く場所と資本(=土地・工場・設備)を提供し、労働者は労働力(=身体(技能)×時間)を商品をして資本家に提供し、そこで生み出された新たな商品(=付加価値)を売ることで得た利益を資本家と労働者に還元するシステムを作り出したのです。
また、これは、労働者として身体(技能)・時間を資本家に提供し賃金を得る夫と、家庭を守る主婦という社会構造をも作り出しました。
現在では、労働力の性質も変わってきて女性の社会進出も目覚しいものになっていますが・・・
今日の何気ない日常生活の姿は、この産業革命によってもたらされたのです。
長い年月を経て、社会は少しづつ変化を遂げますが、1990年代、インターネットが急速に普及することで、かつて無い大きな変化が起こります。
インターネットを介した新たな「情報世界」、別の言い方としては「バーチャル(仮想)世界」が誕生します。そこでは、軽微な設備(資金)と、知識という労働力によって「情報」=「付加価値」=「商品」を生み出しました。
ここに、「情報を資本とする資本家」「知識を労働価値として提供する労働者」「情報を商品として扱う企業」というこれまでとは違ったビジネス形態が登場しました。
また、他のビジネスにおいても、これらの商品となり得る情報を如何に活用するかが問われるようになりました。
これまでに無い新たなビジネスの登場、働く場所や労働力の提供方法の変化、それを支える技術革新とインフラ整備により人の生活基盤も大きく変わろうとしています。
かつて、SF映画の中で見られた未来生活が現実味を帯びてきたのです。
産業革命以来のこの急激で大きな社会構造変化の兆しを捉えてIT革命と言っているのです。
IT革命によって、今の私達の暮らしそのものが大きく変わろうとしているのです。
今日明日に社会構造が一変する訳ではありませんが、この傾向は既に何年も前から始まっています。
自宅から、あるいは事務所から、あらゆる情報を全世界から入手できるようになりました。メールによる問い合わせ、資料請求などは一般企業で当たり前のようになっています。
インターネット上の仮想店舗で、パソコンや電化製品から日曜品・食料品まで何でも購入できるようなっていますし、インターネット上でしか買えないものもあります。
学校教育、通信教育、銀行取り引きや株の取り引きもインターネットを通してできるようになっています。無料で利用できるインターネットを介した電話もあります。
日本の国家政策としてすすめている「e−Japan構想」が進められ、官公庁への申請・届出も可能となりつつあります。
既に始まっているこの変化に気が付かないでいると、あたなは浦島太郎となって、来るべき情報化社会に取り残されることになってしまうのです。
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